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■ まえがき
■□ 新連載:読み書きのアセスメントをして子どもの本来の力を発揮する
■□■ 連載:日々の忙しい施設運営をサポート!施設運営機能
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文字を読むのに困難を覚えるディスレクシア。困難といっても多様な状況があります。その評価について、藤堂栄子さんに今回から連載で解説していただきます。
藤堂さんには、2019年10月から8回の連載で、ディスレクシアとその周辺情報を幅広く解説していただきました。
以下に、発行日と題名を紹介させていただきます。
2019.10.11
ディスレクシアとは?
2019.10.25
AI時代だからこそ人間形成の教育
2019.11.08
非行と発達障害
2019.12.06
「気になる」子どもたちと私の関わり
2019.12.27
読書バリアフリー法とディスレクシア
2020.01.17
読み書きが困難な人は多様
2020.02.14
ディスレクシアへの全人的アプローチ
2020.03.13
成功している日本とアジアのディスレクシアの人たち
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■ 新連載:読み書きのアセスメントをして子どもの本来の力を発揮する ───────────────────────────────────…‥
NPO法人エッジはディスレクシアの人たちが活き活きと暮らせる社会を提供することを目的に啓発、支援とネットワークを活動の柱としております。特に支援についてはホリスティック、全人的なアプローチで進めています。支援の方向性を可視化するのが読み書きのアセスメントです。
●スラスラと正確に読み書きができているか?
読み書きの困難は流暢性と正確性の程度を標準化された指標をもとに検査します。医療的診断の根拠ともなりますが、教育的には困難さが医療的な診断基準に満たなくても速やかに対応をすることが求められていますので、「合理的な配慮」である調整と変更などの対応を始める根拠となる大切なものです。
●検査の種類
スクリーニング:アンケートや観察でまず、困難さを見せていないかを検討します。学び方の工夫やより詳しい検査につなげることができます。
集団アセスメント:クラス単位、学校単位、地域の希望者などの形で実施します。細かなところまでは分かりませんが、対応を始める必要があるかどうかを知ることができます。一人ひとりにA4で1枚のシートを作成し、渡します。
書き写すスピード、書きとる正確さ、黙読して内容理解、音声で聞いての内容理解、漢字読み書きの正確さ、ひらがなの読みのスピードを見ることができます。
使用検査:
URAWSS-II、東京都読み書きアセスメント、河野式聴写課題
●個別のアセスメント
一人ひとりの読み書きの困難さの現状を様々な角度から検査をします。ひらがな・カタカナ・漢字の読み書きの速度や正確さ、文章や非語の読みスピードが数値化される他、課題への取り組みの様子や誤答から見える傾向などから総合的に指導や支援の方法の提案をします。
URAWSS-IIとSTRAW-Rで音で聞いた方がいいのか、読み書きがスラスラと正確にできるのかを見て、家庭でできる学習方法、学校でできる対応、試験などでできる合理的な配慮の
提案をしています。
URAWSS-IIは書き写すスピードと黙読と読み上げで文章の理解度が変化するかを見ます。書き写すスピードが遅いとか、行飛ばしや間違えが多ければ、板書を書き写すことを手書きではなく、写真にとるとか、プリントを渡すとかに変更したり、ICTの使用につなげたりできます。読むことも同様にすぐに代読や読み上げ、音声化などICT機器の活用につながる結果が出るので便利です。
STRAW-Rでひらがな・カタカナ一文字の読み書きが正確にできるか?をはじめとして、RAN※、ひらがな・カタカナ単語と非語の読みのスピード、126の漢字の読み、ひらがな・カタカナ・漢字の読み書きなどを見ることで、相当な確度で読み書きの困難さの程度が分かります。数値だけでなく、間違えや様子から困難さの傾向を知ることができ、対策も取り易くなります。
※RAN Rapid Automatized Naming(以下,RAN) 課題は,紙面あるいはPC画面上に規則的に 配列された文字,絵,色などの刺激を連続的 にできるだけ速く呼称することを求める検査 である。(出典:香川大学学術情報ジポリトリ)
●意見書による検査のフィードバック
検査をして数値が出ても、それだけでは「個別最適化」した支援にはつながりません。そこで当法人では「意見書」という形で検査結果の読み取りをして困難さの分野と程度、観察による数値化されていない困難さを記述します。その上で、検査の結果、本人の希望、年齢に合わせて、考えられる指導や支援の方向性を家庭でできること、学校でできることと試験などでできる調整と変更についての提案を行っています。
●意見書の使い方
基本的にディスレクシアの読み書きの困難さは文字をすらすらと正確に読み書きする「低次の読み書き」にあり、いかに内容にアクセスして考えてアウトプットする「高次の読み書き」に移行するかに着眼しています。
本人の自己理解も大切と考え、学びの多様性という観点から本人のできているところを強調して、困難さを軽減して、本来の力を発揮するための一助となるよう工夫しています。
家庭でできることもいわゆる「訓練法」ではなく、負担軽減をして、本来の力を発揮する方法の提案をします。
学校に対しては主に通常学級の中でできる変更と調整、通級などでできる指導を提案します。
試験などでできる「合理的な配慮」については根拠を述べて、提案をしています。すべて、本人の希望にそってという考え方での提案です。
次号では
これらのアセスメントで分かったことをもとにどのようなアプローチができるのかを掲載します。
●参考:
「標準読み書きスクリーニング検査」(STRAW-R)(宇野彰ほか インテル出版 2017年)
「特異的発達障害 診断・治療のための実践ガイドライン」(稲垣真澄 診断と治療社2010年)
「小中学生の読み書きの理解」(URAWSS II)(河野俊寛他 atacLab社 2017年)
「『読めた』『分かった』『できた』読み書きアセスメント」(東京都教育委員会 2017年)
◆藤堂栄子
認定NPO法人エッジ会長 ・相談・アセスメント
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■ 連載:療育に特化した施設運営システム-HUG-第2回 日々の忙しい施設運営をサポート!施設運営機能
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我々、株式会社ネットアーツは、放課後等デイサービス運営システムHUGを開発・サポートしております。
HUGは放課後等デイサービスの事業者様と手を取り合い、
・療育の質を高めること
・誰にでも使いこなせる便利な道具を創ること
・子どもたちの自立と成長を支援できること
この3つの想いから、生まれました。
実際に施設運営する中で直面した課題や実現したい事を、療育に特化した施設運営システムを利用して管理できれば、事業所は療育に集中でき、子どもたちの成長に繋げる事ができると考えています。
今回の連載では、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所を運営するために必要な情報がどれだけあるのかを、療育に特化した施設運営システム「HUG」を通して4回に分けて紹介しています。
第2回目は、施設運営情報の管理です。どのような情報を作成して保存しておかなければならないのか、HUGの機能を通して説明します。
〇施設運営機能
サービス提供実績記録票や業務日報など、日々の記録をつけるだけで必要な書類を自動で作成できれば、
記入ミスや記入漏れを防ぎ、 事務作業における残業時間を削減できます。
業務日報や出勤表などを自動的にチェックして、記録の不備や減算対象になる場合は警告を表示し、不備や適切ではない人員配置を未然に防ぐので、健全な施設運営が実現できます。
目的により次の7つに分けて説明します。
1.最適な人員配置の出勤表
利用予定人数に応じた適切な人員配置ができるよう加算要件を自動でチェックします。
「児童指導員等加配加算」や「福祉専門職員配置等加算」など取得可能な加算についての情報だけでなく、減算対象や基準を満たしていない場合の警告を表示するので、最適に人員配置された出勤表を作成できます。
(画像はこちら>>)
2.出席表
その日に利用する児童を一目で確認できます。
ボタンを押すだけでミスなくカンタンに出欠席や入退室時間などの記録が終わります。記録した内容はサービス提供実績記録票や業務日報など必要な帳票に自動で反映されるので、様々な書類に転記する必要もなくなり、ミスや漏れを防ぎ、事務作業の時間を削減できます。
(画像はこちら>>)
3.送迎組み・送迎管理
利用日の予約状況にあわせて送迎表を作成できます。
車輌の定員、送迎場所、時間などを調整しながら予定を組むことができます。どの車輌に乗せるのが最適か、負担なく送迎組みができ、効率的な送迎業務を実現できます。
それぞれの児童の送迎を担当する運転手と送迎場所や送迎時間を一目で確認できます。
記録した内容はサービス提供実績記録票や請求時の送迎加算に自動で反映されるので、転記のミス防止や請求時の記載漏れを防ぐことができます。
4.業務日報
出席表の記録やスタッフの出勤表などから自動で業務日報を作成できます。
出席表や送迎記録から自動で反映されるので記載漏れやミスを防ぎ、書類作成の負担を軽減します。記録漏れのチェックも自動で行い、警告が表示されます。
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5.サービス提供実績記録票
日々の記録から児童一人ひとりのサービス提供実績記録票を作成できます。
システムに登録されている情報を元に自動で作成するので、転記ミス・記入漏れの心配もありません。そのまま印刷したり、請求時の情報として使えるので事務作業の時間を削減できます。
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6.月別利用状況表
利用児童の延べ人数が提供サービス・提供形態ごとに算出できます。
定員超過減算の確認・自治体への状況提出が可能になります。
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7.勤務形態一覧表
毎月のシフトを組むだけで、人員基準に基づいた勤務形態一覧表を自動で作成できます。
Excelファイルで出力するので、自由なカスタマイズも可能です。
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〇まとめ
このように施設運営情報を管理すると一言で言っても、目的により様々な様式があります。
サービス提供実績記録票は、児童個々の出席情報を含めた算定区分や時間、加算実績などを記録する請求時に必要な実績記録です。
職員のシフトは、利用予定人数が把握できれば適切な人員配置のシフトを組む必要があり、同様に送迎組みも毎日利用者により柔軟な対応が必要になります。
業務日報には、その日の活動、児童の出席情報、送迎情報、出勤したスタッフの情報など日々残していかなければなりません。
施設運営は記録はもとより、状況を把握するために一覧表で確認することも都度必要で、柔軟な対応が求められます。
施設運営で記録や確認に時間を取られていては、施設運営自体に影響が出かねません。記録には ITの力を借りて効率的に有効な記録ができるといいですね。
第2回目は、ここまでになります。次回は売上・請求情報の管理です。お楽しみに!
今回、ご紹介したHUGのサイトはこちら>>
HUGを提供する株式会社ネットアーツが運営するお役立ち情報を発信した「はぐめいと」は、こちら>>
◆株式会社ネットアーツとは
愛知県名古屋市中区金山にあるITソリューション企業です。
児童発達支援・放課後等デイサービス運営システム「HUG」の開発・サポートを行うとともに、愛知県犬山市で放課後等デイサービス・就労移行支援・就労継続支援事業所ココトモワークスを運営し、誰ひとり取り残さない居場所を創りを行っております。
放課後等デイサービスや児童発達支援にかかわるすべての業務を一元管理できるSaaS(クラウド)型の運営支援システムです。
事業所が保護者と療育の記録や連絡事項を共有できるだけでなく、利用予約~実績登録~請求という一連のワークフローをすべて電子化することで、より質の高い療育の提供や業務効率の改善、運営基準の順守を実現できるサービスとなっています。
2025年1月現在では全国47都道府県、7,000を超える事業所で導入されています。
■□ あとがき ■□--------------------------
次回は、2月21日(金)の刊行となります。