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■ 連載:図形学習が得意になるには(最終回)
■□ 連載:発達障害者の参加ハードルを下げる工夫とその実情---------------------------------------------------------------------------------------------------
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■ 連載:さんすう学習の基礎は概念の習得から
第5回 図形学習が得意になるには(最終回)
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■ 連載:さんすう学習の基礎は概念の習得から
第5回 図形学習が得意になるには(最終回)
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前回までお伝えしたこと
第1回 人気の教材は一人の学力不振児からうまれた第2回 さんすうの基礎・基本と教材としての表現
第3回 かずをどのように教えるのか
第4回 記号計算に入ってから重視したいかずの合成分解
今回は最終回の第5回 図形学習が得意になるには、です。
図形学習テーマの勉強会などで参加者に質問をすると、どこの会場でも返ってくるのが、「図形問題は苦手でした」という反応です。
実際小学生でも図形問題になると、よくわかりませんという子が多いです。
小学生向けの民間テストの結果でも、計算の正答率は高いものの、図形問題になると正答率が低い傾向にあります。
これは今に始まったわけではないのはよく知られています。
中学入試、高校入試の指導現場でも図形の問題で難しいと思ったらその問題は捨てて、他の問題で点数を稼げと言われていました。
なぜ図形問題に苦手意識を持つのか、それを克服する方法はないものか、という課題に取り組んだ教育者(小林茂広博士)がいました。
今から20年ほど前、小林茂広博士から直接聞いた話です。
「大学で物理の講義をしているとき、優秀な学生ばかりなのに、なんで幾何(図形)が苦手なのだろう、と常々不思議に思っていました。大学教授の職を定年退官したものの元気なので、退官後の研究テーマとしてこの課題に取り組もうと思いました」とのことでした。
先生の著した「手と頭で考える算数II」のまえがきには
「算数に強い子供にしようと算数を教えこむ親は多い。しかし、暗記や詰込み教育で算数に強い子供は出来ない。音楽を理解させるために音感教育を施すように、算数に興味をもたせるような下地(レディネス)作り、つまり数感教育が必要である。著者の提唱する数感教育とは、算数を目で見て、手でさわって確かめることのできる世界として経験させることである。つまり、紙と鉛筆を使って教えこむ算数ではなく、教材となりうる玩具を用いて遊ばせ、遊びの中で学習の成立するような知的刺激を与えて数理的認識に導いてゆこうとするものである。<以下続く略>
その結果生まれた学習教材が
「〇△□パズル」
「234つみき」
でした。
図形学習は、いったいどのように指導したらいいものかという疑問に対する一つの答えを示しています。
〇平面図形の学習 「〇△□パズル」
実際、この教具を使用して図形学習をすると、確実に図形への不得意感が解消されるのです。とくに4歳ぐらいから学習を始めるた多くの子は、上位学年になったときの図形に対する苦手意識が少ないのです。
その4歳児が最初に取り組むのは、図形パズルの基本4片です。
基本4片の例
少し学習すると幼児でもすらすら課題に取り組めるようになります。
はた目では、こんなのは幼児用なので簡単だと思う方が多いのですが、チャレンジしてみると大人でも9割近くの方は苦戦するというのが現実です。単純な形でも認識する能力があいまいだということがわかります。
この図形学習は段階別にレベルアップしていくことで、無理なく図形感性を高めていくことができます。
関連教材「パズルノートA~E」
〇立体図形の学習 「234つみき」
この教具の場合、いきなり取り組ませるには少々難易度が高いので、弊社ではその前段階となる導入教材を開発しました。「123つみき」です。
「123つみき」
「234つみき」に比べ難易度がぐっと下がり、4歳児程度からチャレンジ可能です。
この学習は、前述のパズルが2次元の図形学習なのに対し、立体をイメージする学習です。見本のシートを見ながら、同じ形を作っていきます。
「123つみき」の最終レベルが終了すると、難易度の高い「234つみき」の学習に入っていきます。
パズルもつみきも学習とは言っても、子どもの興味を惹きつける遊びの延長のような学習です。「あーでもない、こーでもない」と集中して取り組むことで図形に対する感性が自然に豊かになっていくのです。
教えこむ学習ではなく、「算数を目で見て、手でさわって確かめることのできる世界として経験させること」に重きをおいた学習方式は、図形学習に苦手意識を持つ子どもたちにも有効なのです。
一人でも多くの指導者が、この有効性に気づき日々の学習に生かしていくことを切に願っています。
◆新村一臣(にいむらかずおみ)
株式会社エジソンクラブ 代表取締役
株式会社新村教育研究所 代表取締役
一般社団法人小学校受験協会理事
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■ 連載:発達障害の凸凹、死角となりやすい二次障害とは?
第4回 発達障害者の参加ハードルを下げる工夫とその実情
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コミュニケーションの生き辛さを可能性に変える…
イイトコサガシ・ワークショップを主催している発達障害当事者の冠地情(かんち じょう)です。
前回の話を簡単にまとめますと…
退化硬直しやすい発達障害当事者は、無敵の人にもなりやすい。
※「生き辛さの元凶である『退化硬直』の恐怖。
客観性、社会性から遠ざかり、自己完結の自己満足ワールドに引きこもらないと自分の中の整合性が取れない(生存が難しい)ということです。
なお退化硬直は私の造語であり、医療等のエビデンスは一切ありません。
コンプレックスにまみれた最下層の人より、無敵の人を選ぶ発達障害当事者の気持ち、私は強く感情移入できます。
とは言え、その選択の先にあるのは救いのない悲劇。
なんとかして、そんな結末を減らしたいわけですが、皆さんに私が強調したいこと、それは…
対処療法では難しい、ということ。早期予防のインフラ構築が基本中の基本、ということです。
※発達しにくさは数値化しにくい、可視化しにくい…非常に厄介。
さて、それではイイトコサガシ・ワークショップがどんな方法論で無敵の人対策を試行錯誤してきたのか? という歴史を赤裸々に、等身大に語っていきたいと思います。■よかったところをみんなで探して、みんなで応援していく!
批判・助言は一切なしのルールなら安心して経験を積める、ワークショップに取り組みやすいのでは? まずは自己肯定感!
文字通りのイイトコサガシですね。
このコンセプトで団体を立ち上げた私としてはとても思い入れのある方法論。
しかしながら、この方法論は参加者の半数以上がイイトコサガシの熟練者でないと厳しい、というのが実情だったりします。
そして支援者だから、親だから、学校の先生だからイイトコサガシが上手い、というわけでもないところがこの話の肝です。
(付け焼き刃だとお世辞・社交辞令になってしまう、と)
じゃあ私が
「一緒にイイトコサガシ・ワークショップで経験を積んでいきましょう」
と声掛けしたら、上記の皆さんが積極的に参加するか?
というとそんなこともない、というのが日本社会の課題となります。
イイトコサガシを推奨する大人はたくさんいますが、自ら積極的にイイトコサガシを実践していく大人は少ない、ということです。
わかりやすい事例で言いますと、我が子をイイトコサガシ・ワークショップに参加させたい!という親御さんはたくさんいますが、その親御さんに
「まずはお父さん、お母さんがイイトコサガシ・ワークショップに参加してみて、本当に良い内容と思ったらお子さんを誘ってみてください」
と伝えると途端に顔色が変わり、結局は参加しないというパターンが多いことについて、皆さんはどう思いますか?
■成功・失敗、上手い・下手、できるできないは関係ありません…試した時点で大成功!
・評価がない
・比較がない
・点数がない
これなら安心して経験を積める、ワークショップに取り組みやすいのでは?
という今ではイイトコサガシのキャッチフレーズとなった、試した時点で大成功!
ではこの言葉で魔法のように生き辛さを抱えている皆さんが、積極的に参加して試行錯誤していくか、というと…
残念ながらそうでもないのが実情です。
率直な感想としては、心の傷や失敗体験、劣等感が積み重なった状態だと遅いかな、と。
まだまだ純粋でみずみずしい感性のうちに(思春期のうちに)試した時点で大成功!を声掛けして、他者評価という価値観ではない世界を体験しないと、この言葉は真価を発揮できないということです。
※この4つをどうやって予防するか?それが社会の課題です。
■大好き・楽しい・ありがとう!がテーマなら興味が持ちやすい、試しやすい、話しやすい?
これは目からうろこ、コロンブスの卵でしたね。建設的コミュニケーションの基礎土台を耕すためにも、まずはこの入り口が必要不可欠、と強く実感した次第です。
重要なことはワークショップの、
・枠組み
・ルール
・NG
を意識して試してもらうこと。
・なんとなく
・自由気ままに
・自分勝手に
という形だと、それ以外でのコミュニケーションが難しくなってしまいます。
しかしながら、退化硬直してしまっている人は
「そんな窮屈な中で話したくない」
となりやすいのもまた事実、でした。
とは言えエゴ全快、エゴむき出しの話に需要があるかといえば、ほとんどありません。
※建設的対話意欲脆弱障害を逆から障害していくと…
イイトコサガシするよ、試した時点で大成功でよいよ、大好きな話(楽しかった話、感謝された・したい話)でよいよ、と歩み寄ってもなかなか溝が埋まらないからこそ生き辛さなんだな、と。
■ジャンルを限定(例えば鉄道)ワークショップを予告、パス・見学あり、必ず発表する参加協力者が半数という形なら?
イイトコサガシの最終進化系がこの、ジャンルに特化したワークショップとなります。
できる限りを尽くした歩み寄りの集大成、究極に参加ハードルを下げたワークショップ!
なにしろ
・自分の興味のある得意なジャンルしか話題に出てこない
通常のワークショップですと、仮に大好き・楽しい・ありがとう! がテーマだったとしても、自分に興味のある内容とは限りません。
深海魚? ラーメン? お城巡り?
「自分に興味を持ってもらいたいならば、相手の大好きなものにも興味を持たないとね」
という正論でどうにかなる種類ではない、と。
そんな人でもジャンルが限定されたら集中しやすいのでは?
・ワークショップの内容が予告されているから予習可能
その場でアドリブ、という要素が皆無なわけです。
必要なら支援者や家族、友人にどんな発表をするかの相談できます。
当日に備えて繰り返し、練習することもできます。
イイトコサガシ・ワークショップは漫画になっているため全てが準備できる分、不安がゼロになる?
・パス、見学が自由なのでプレッシャーゼロ。
内容的に苦手、厳しい場合はパスして見学に回ることができます。
ワークショップの雰囲気で発表するかしないかを決める、ということが可能になるため参加のハードルが下がること、間違いなしです。
極端な話、全てのワークショップをパスしてもOK!
その代わり、イイトコサガシ主催の場合は6時間ワークショップで5000円(3時間ワークショップなら3000円)という通常の倍以上の参加費設定になっています。
お金を多く頂く代わりに、ルールを大幅に緩和、ということです(そうしないと主催者側のメンタルが守れません)
そのため、この設定でもまだまだ参加者は少ないということをお伝えしておきます。
公的支援機関とのコラボで定期開催できれば、随分と状況は変わる、と私は思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょう?
・仮に参加者が全員パスや見学でもワークショップが止まらない
パスや見学の怖い所は、そればかりだとワークショップが成立しないことです。
ファシリテーターが、猫なで声で
「試した時点で大成功! だからやってみようよ、楽しいよ?」
といくら話しかけても、誰も挙手しない…なんてことが日常茶飯事だからこそ、生き辛いのです。
なのでこのワークショップでは、絶対にパスをしない参加協力者を半数、用意します。
参加定員が6人なら3人は参加協力者、ということです。
この形ならパスを容認しつつ、
「○○さんの話、聞きたいな…」
というダメ元の声掛けを、軽い雰囲気ですることが可能になります。
断られても困ることがないからです。
ただ、イイトコサガシ主催で参加協力者を揃えるのはとても難しいため、公的支援機関とのコラボが必要不可欠、というのが正直な感想です。
次回は、今回の課題を踏まえて更に進化した現在進行形のイイトコサガシの話をしていきたいと思います。
◆冠地情(かんち じょう)
不登校・ひきこもり・いじめ・発達障害の四冠王だったと語る、イイトコサガシ代表。
全国各地でいいところを探し、互いに応援するワークショップ&講演会等を43都道府県で1000回以上開催、10000人以上が参加。
合言葉は「試した時点で大成功!」
NHK「ハートネットTV」「バリバラ」に出演。
嫌われる・孤立する・批判される勇気を武器に、文字通り生き辛さ界隈の異端児。
あすぴれんとテレビでYouTube番組「人間臭さTV」を放送。https://bit.ly/3VypTYU
東京都狛江市のラジオ局コマラジ・第四火曜日正午~13時のアフタヌーンナビにレギュラー出演。
東京都東久留米市のラジオ局くるめラ・第一火曜日18時~19時の超イイトコサガシ宣言でメインパーソナリティ。
著書『発達障害の人の会話力がぐんぐん伸びる アイスブレイク&ワークショップ』
■□ あとがき ■□--------------------------
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