SDGsとは未来を変える目標、一人ひとりにできることとは?

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2021.03.12

SDGsとは未来を変える目標、一人ひとりにできることとは?

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■   新連載:SDGsとは未来を変える目標、一人ひとりにできることとは?
■□  連載:子どもゆめ基金のデジタル教材「手話うたアプリ」
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■□ まえがき ■□--------------------------
これまで何回かご寄稿くださったフリーライターの原佐知子さんが、新しく書籍を出版されることになり、今回はそのダイジェストを本メルマガでご紹介いただきます。

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 ■ 新連載:SDGsとは未来を変える目標、一人ひとりにできることとは?
                         第1回 SDGsって何?
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みなさん、SDGsって聞いたことはありますか? 企業や自治体のスローガンなどで電車の中でもその広告を見かけるようになりました。また、有名中高一貫校などの入試問題で取り上げられている率が高いことでも知られているので、聞いたことのある人はたくさんいると思います。でも、SDGsの本質について本当にわかっている人はどのくらいいるでしょうか?

4月に、中学生から読める書籍『10代からのSDGs-いま、わたしたちにできること』を発行する予定です。その書籍の著者として、その本に書かれているSDGsについて、ダイジェスト版でお伝えしていきたいと思います。

今回は、その第1回として、SDGsについて解説します。

※大月書店『10代からのSDGs』

〇SDGsって何? 私たちは何をすればよいの?

メディアで取り上げられているSDGsは、環境問題やエコロジー、途上国の貧困問題が多いので、遠い世界のことのように思うかもしれません。また、難しいことのように感じるかもしれません。でも、本当はいたってシンプルでわかりやすいものです。
将来にわたって安心安全な社会「誰一人取り残さない社会」をつくることを目標に世界の各国が一緒に目指す目標(ゴール)のことです。

SDGsは2015年9月に国連総会で採択されました。世界中の国連加盟国ではこのゴールを達成するために、さまざまな取り組みがなされています。

SDGsとは、「持続可能な開発目標」と訳します。「s」が付いているのは、目標が17個あるから。17個の目標のうち1つだけ達成したらよいということではなく、17個セットで達成しなくてはいけないのです。そしてそれぞれの目標はすべてが関連しています。
17のゴールのアイコンとゴールの内容はこのwebサイトを見てください。

※総務省 持続可能な開発目標(SDGs) 

これらを見てみると、読者であるあなたの未来、そしてその子どもや孫が安心して生きられる社会をつくっていくために必要なことが書かれていることに気づくでしょう。また、今もすでに行われていることが入っていることもわかります。地球の未来のために当たり前にしなくてはいけないことが改めて書かれているからです。

世界全体にかかわる大きなことなので、読んでいるあなたは、もしかしたら自分にはあまり関係ないように感じるかもしれません。地球上に住む人類が幸せに暮らすためには、具体的な目標を決めて皆で共有し、日々の活動に落とし込んでいかなければなりません。17の目標には、「地球のみんながこういう風に行動し、未来をこう変えていこう」という具体的な内容が書かれています。だから、「ゴール」と言われています。

では、SDGsが達成できないとどうなるのでしょう? 世界各国が共有する目標がないまま経済活動を行うと、世界的な課題が解決されず状況はどんどん悪くなってしまいます。
そうすると、私たちが住んでいる地球、ひいては私たちの生活そのものができなくなってしまうのです。安心・安全な社会をつくるためには、世界全体で共通の目標を持ち、未来の子どもたちに伝えることが必要なのです。平和で住みやすい環境でこそ、人々は文化をはぐくみ、豊かな暮らしが送れるようになります。地球上のすべての人が過ごしやすい未来をつくるためにはどうしたらよいか、また、一人ひとりができることについて考えることがその第一歩となります。

では、世界各国の課題にはどんなものがあるのでしょうか?
次回は、いま世界で課題とされている具体的な内容とその解決のための施策について考えていこうと思います。

フリー編集者・ライター 
 障害福祉や教育関係の書籍や雑誌、進学情報誌等の編集や取材・ライティングを行う。また、執筆だけでなく、コミュニケーションや発達障害についてのセミナーやワークショップ講師としても活動中。
全国手をつなぐ育成会機関誌『手をつなぐ』では、映画や本、舞台の評を不定期に連載中。
主な編著書に、『ADHD、アスペルガー症候群、LDかな?と思ったら…』、『ADHD・アスペ系ママ へんちゃんのポジティブライフ』、『専門キャリアカウンセラーが教える これからの発達障害者「雇用」』、『自閉症スペクトラムの子を育てる家族を理解する 母親・父親・きょうだいの声からわかること』などがある。
2021年3月、平凡社より「発達障害のおはなしシリーズ3巻」を、大月書店より「10代からのSDGs-いま、わたしたちにできること」上梓予定
 

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 ■ シリーズ:子どもゆめ基金のデジタル教材「手話うたアプリ」
                            第2回 聴こえる子と聴こえない子が一緒に音楽を楽しむために
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前回のメルマガでは、聴覚障害のある子どもたちを取り巻く課題や「手話うたアプリ」の開発に至った研究の経緯についてご紹介しました。今回は、手話うたやこのアプリの詳細についてご紹介します。

1.「手話うた」とは

手話は、聴こえない人がコミュニケーションをとるためのことばで、手指の動きや表情などを使って概念や意思を視覚的に表現する視覚言語です。手話の使用は聴こえない人のコミュニティに限定されているわけではありません。たとえば、聴こえる子どもが通う保育園で手話や身振りをつけて合唱することがよくあります。また、聴こえない人の中でも、補聴器や人工内耳を通じて聴こえるわずかな音を手がかりに、音声言語でコミュニケーションをとったり、音楽を楽しんだりすることができます。聴こえない人も歌詞などの視覚情報があれば、聴こえる人と一緒に手話と音声言語で歌を楽しむことができるのです。聴覚障害に関わらず、手話をしながら歌を歌うことをここでは「手話うた」と呼んでいます。

2.子どもが歌をうたうことの意味

通常、聴こえる子ども達の通う保育園や幼稚園では、季節折々の行事に関連した童謡を歌唱することが日常的におこなわれています。例えば、春のお花見の季節には「さくら」や「チューリップ」を歌い、クリスマスが近づく時期には「ジングルベル」や「あわてんぼうのサンタクロース」を歌います。季節や行事に応じた童謡をみんなで歌うことによって、これから取り組むであろう行事への期待や想像力の広がり、または実際に経験したことが定着する、といった効果がみられることから、童謡を歌うことは子どもの心がより一層豊かになるための重要な経験であるといえます。

一方、全国のろう学校や特別支援学校の乳幼児教室や幼稚部でも、聴こえる子ども達の通う保育園や幼稚園と同様、歌を取り入れた教育をおこなっています。ただし、聴覚障害児を対象としたこれらの学校では、手話や身振りを取り入れた手話歌を子ども達と一緒に歌うことになります。その場合、学校の教諭が手話をしてみせたり、または、各学校の教諭が独自に作成した手話歌のビデオを見せたりしながら歌うことがほとんどです。

そして、聴覚障害児の保護者は、その約90%が聴者であるため、多くの保護者は手話をうまく使えません。各学校の教諭が独自に作成した手話歌のビデオは学校教育の現場でしか利用できないため、保護者が家庭で子どもと一緒に手話歌を歌いたくても、学ぶ教材がないという問題が存在します。インターネット上で動画を検索し、YouTubeなどでたまたまヒットした手話歌があればそれを自宅のパソコンで視聴しながら手話歌を学ぶ、という聴覚障害児の保護者は非常に多いのが現状です。日本の文化や季節の行事に関連する様々な童謡を、音だけではなく、手話やカラオケ歌詞といった視覚的情報もあわせて提示するような音楽学習教材はこれまで存在していません。

また、子ども達が歌う楽曲は、保育園や幼稚園、小学校といった教育場面において昔からよく取り上げられている童謡だけではなく、その時期に流行している歌謡曲やポップス、コマーシャル・ソングといった楽曲である場合も多いと思われます。例えば、数年前、映画「アナと雪の女王」の大ヒットに伴い、大流行した「ありのままで(Let it go)」という楽曲を子ども達が仲良く口ずさみながら遊んでいる様子がよく見られました。たとえ聴覚障害児であっても、流行歌を歌いたいという欲求は聴こえる子どもと同じであるはずですが、世界中で大流行した「ありのままで(Let it go)」の手話歌をYouTubeなどで検索しても、流行している当時は日本手話で表現している動画は簡単には見つけることができませんでした。たいていの場合、見つけられるのは流行が終わった数年後になります。

3.「手話うたアプリ」の目指すもの

そこで、私たち「聴覚障害児のためのアプリ教材開発研究会」では、よくある既存の童謡のデータベースとしての教材ではなく、時流のニーズにあわせて様々な楽曲と手話を結びつけて手話歌動画を簡単に作成することのできる汎用性の高いアプリ教材を「手話うたアプリ」として開発することを目指しました。本アプリには、カラオケ形式で視覚提示する歌詞やビート、リズム、音の高低といった音楽情報を視覚的に表示する機能も選択可能なオプション機能として付加しました。

本来は聴覚情報として処理される音楽ですが、アプリを用いて音楽を視覚的に提示することによって、聴覚障害者の認知特性の特徴を最大限に活かし、聴覚障害児が音楽により興味関心をひく手話歌動画コンテンツを実現することが可能となります。聴覚障害のある子どもが、季節の行事やキャンプなどの野外体験活動の一場面で、友人や親子と楽しみながら童謡やその時期に流行している楽曲を覚え、音楽体験や社会的体験が大きく豊かに広がることを目標としています。

また、「手話うたアプリ」は、YouTubeの投稿機能を有機的に結びつけ、教材の収集と普及もねらったことも大きな特徴です。次回は「手話うたアプリ」とYouTubeを連携させて実施したコンテストについてご紹介します。

◆荒木 友希子 (Araki Yukiko)
金沢大学 人間社会研究域人間科学系・子どものこころの発達研究センター  准教授
博士(文学)、臨床心理士、公認心理師


■□ あとがき ■□--------------------------
子どもの個別発達支援の方法について、児童発達支援施設と放課後等デイサービスの受講を想定してオンラインセミナーを実施しています。小学中学年以下を対象にした施設向けセミナーと、小学高学年から中高生までを対象にした施設向けセミナーの2種類です。ご関心のある方はどなたでも受講していただけますので、よろしければ下記からお申込みください。
 
※オンラインセミナー 

もうひとつワークショップのご案内です。町田市主催で、3月14日、21日、28日の各日曜日の午後1時30分からと3時からの2回、町田モディ4階イベントスペースで行います。認知機能の測定に基づく発達支援を解説します。また、当社キャラ、くまのランスくんの挙手カードをお配りして、脳バランサーキッズを皆さんで体験していただきます。
 
※挙手カード
 

下記ページを参照して、直接、会場にお越しください。
※まちだサステナビリティフェス 

次号は3月26日(金)です。

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