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■ 連載:単語帳アプリを使って「漢字と読みの一致」を支えよう
■ グッズレビュー:頭皮エステ
■ 書籍:楽しい毎日を送るためのスキル
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■ 連載:賞子先生の「魔法のアプリ」 第3回
単語帳アプリを使って「漢字と読みの一致」を支えよう・1
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「辞典アプリ」の回で登場したA君について、もう少しお付き合いいただこうと思います。今回は、彼の「漢字の読み」の定着への取り組みをご紹介します。
自分が子供のころもそうでしたが、「書けないけど読める」という子は、結構います。そうしたケースについてのアプローチも、いつか触れられるといいのですが(ICTから離れたアナログな方法です)、今回のA君は「書き」だけでなく「読み」にも困難が大きかったケースです。
A君の「書き」の困難と漢字の定着しづらさについては、前々回に触れたとおりです。「調べる」という「自己解決」の手だてを持ったことで、「書き」へのモチベーションが大きく上がり、定着へと向かっていった報告をしましたが、並行して「読み」へも介入を行っていきました。
A君はまじめな子で、繰り返しの練習にもきちんと取り組むのですが、今練習した漢字について「これ、なんて読む字?」と聞いても、「さあ?」と首をかしげるばかりで、答えることができませんでした。漢字だけではなく、読み仮名も一緒に書いて練習している時でさえです。彼は「絵を写すように」漢字や読み仮名を写し取ってはいたものの、「読み方」を「音」として意識してはいませんでした。
そこで、単語帳アプリを活用することを考えました。
使ったアプリは、「i暗記」です。
★iTunes App Store「i暗記」はこちら>>
i暗記は、
・簡単に単語帳が作れる。
・作ってすぐに練習に使える。
・タップして簡単に正解を確認できる。
・間違えたカードだけを表示するモードも選べるため、繰り返しの負担感が少ない。
という、とても使いやすいアプリです。
A君は、このアプリを使って、まずは新出漢字のカードを作ることから始めました。具体的には
1)新出漢字をドリルを見ながらカードにしていく
2)国語の時間の始めにカード練習に取り組む
というシンプルなものです。
従来の練習方法と大きく違っていたのは、「入力」というプロセスを踏んだことです。それにより、「漢字」と「音」のつながりを強く意識づけることができました。
例を挙げてみましょう。
Ex)「招く」というカードを作る際
・カードにする熟語をドリルで確認 「招く」
↓
・なんと読むかを確認して、カードの表を入力 「ま ね く」
↓
・出てきた候補の中から、熟語を探して選ぶ 「招く」
↓
・カードの裏に読み方を確認しながら入力 「まねく」
カードを作る際に、繰り返し「まねく」という熟語の読み方を確認し、さらに打ち込んでいきます。つまりカードを作る過程で繰り返し、漢字の「音」を意識づけていきます。A君については、この作成段階でかなり覚えてしまう姿が見られました。また、作成後の練習も「書く」のでなく「読む」ことで確認していくため、常に「この字を何と読むのか」を意識していくことができました。
繰り返すことも、「正解が確認できる」「間違えたカードが減っていくことで終了への見通しが持ちやすい」ことから、負担感少なく継続できました。
i暗記はとても使いやすく、よくできたアプリだと思います。今回はテキストのみを入れていますが、画像を入れることもできます。わがままを言えば、「音」が入れられるようになると完璧なのに、といつも思いながら、アップデートに期待しているところです。
A君の「読み」への取り組みは、その後「音読」へと広がっていきました。
次回はそちらの紹介をしたいと思います。
(井上賞子・安来市立赤江小学校)
■ グッズレビュー:頭皮エステ
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これこそ、お母さんならではのチョイス!と感心したグッズです。
お母さんに代わって、頭皮までちゃんとシャンプーしてくれる製品です。
お子さんのシャンプーを確実にする、という使い方の他に、エステと名称に冠されているように、頭皮のマッサージ用としても優れもののようです。
利用者の口コミで、抜け毛が少なくなったとか。私も買おうかな? 笑)
★ヴァラエティカフェ・グッズレビューはこちら>>
レヴュアー: yoshiko
■ 書籍:楽しい毎日を送るためのスキル
発達障害ある子のステップアップ・トレーニング
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この本が他の発達障害に関する書籍と一線を画する点のひとつは、自閉症スペクトラム(ASD)の人たちの心の中を、非常にシンボリックに解説していることではないかと思います。『ASDの人たちは、他人の感情を理解するのが苦手』という記述は、どの本にも見られるものです。しかし、この本ではもう一歩踏み込んで『自分の気持ちを理解し、言葉で表現することも難しい」ということが、具体例を伴って紹介されています。
たとえば、発達障害の子どもがたびたび起こすパニック。パニックの最中にはその子は、自分が何かに困っていることにすら気づけていないことが多いとのこと。『自分自身が困っていることくらい分かっていて当然である、という誤解が子どもたちを支援から遠ざけているのである』という記述には、はっとさせられます。
また、『大人になるほど、自分に肯定的でいることが難しい』ことの理由については『自分の苦手な部分やうまくいっていない部分はすぐに見つけられても、うまくいっている部分を見つけて肯定するのは意外に難しい』とのこと。
これらの解説は、日常的にASDの人と接することが多い人たちにとって、腑に落ちる点が多いのではないでしょうか。
この本は東海地区を中心に活動しているNPO法人、アスペ・エルデの会の研究・実践内容を元に書かれたものです。
★アスペ・エルデの会HPはこちら>>
同法人が実際に行っているさまざまなスキル・トレーニングの内容も、具体例をあげて紹介されています。実際にそのトレーニングを受けている子どもの様子なども、事前事後で細かく解説されており参考になります。
また、本の中で紹介されているワークブックなどは前述のページから買うことができるようです。ご興味のある方はチェックされてはいかがでしょう。
「感情は変えられること、扱えることを学ぶ」 そんなソーシャルスキル・トレーニングの実際がぎゅっと詰まった一冊です。
楽しい毎日を送るためのスキル
:発達障害ある子のステップアップ・トレーニング
辻井正次/NPO法人アスペ・エルデの会編、2010年10月発行、日本評論社
四六判、208ページ、1800円(税別)
★詳細はこちら>>
(小林 雅子)
■ あとがき
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パシフィコ横浜(横浜国際会議場)で、日本LD学会全国大会が3日間開かれ編者も参加しました。全国から2000人以上の会員が集まり、大盛況でした。
たくさんの講演やシンポジウム、ポスターセッション等が開かれましたが、米国から招かれたドナルド・デシュラー博士(カンザス大学)の特別講演を中心にして、Response to Intervention(RTI):教育介入への反応、が大きく取り上げられたことが印象的でした。また、もう一人、オランダから招かれたリヒテルズ直子さん(オランダ教育・社会研究家)の特別講演にも強い感銘を受けました。
RTIは、本メルマガの6月21日号で、http://bit.ly/1a224bV リヒテルズ先生のオランダの共生教育は、同10月4日号で取り上げています。国立特別支援教育総合研究所が主催した大会で重要テーマに設定された内容を、メルマガで取り上げることができたことを、編集スタッフ一同、喜んでおります。
★日本LD学会、大会会長の挨拶はこちら>>
次回メルマガは11月8日(金)です。賞子先生の連載はまだまだ続きます。
お楽しみに。
単語帳アプリを使って「漢字と読みの一致」を支えよう
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2013.10.25
単語帳アプリを使って「漢字と読みの一致」を支えよう
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