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■ レポート:発達障害のある人の生活支援ツール
■ スペシャル企画 おめめどうヴァラエティセット
■ グッズレポート:「障害者の暮らしに役立つシンボル1000」
■ イベント:世界自閉症啓発デー2012 in横須賀
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■ レポート:発達障害のある人の生活支援ツール
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3月23日に兵庫県篠山市を訪問し、おめめどう代表、ハルヤンネこと奥平綾子さんから同社の製品について2時間に渡ってお話を伺うことができました。
奥平さんのお子さんが自閉症だったことで、TEACCHなどの研究を経てお子様が生活に必要な知識や情報を得られるツールや、お子様の意思を聞き出すツールなどを自作され、それを他の人から請われて提供するようになったのが株式会社おめめどうを始めたきっかけです。自閉症が注目され始め、いろいろな療育方法が提唱された、ある意味の混乱期だったそうです。その時代の興味深いお話もいろいろ伺いましたが、今回は同社のエッセンスともいうべき製品群について、筆者なりに考えたことを中心に紹介させていただきます。
前号メルマガで紹介したyoshikoさんのグッズレビューは、実際にお子さんがおめめどうのツール類を使った経験に基づくものです。この記事と照らし合わせて、理解していただければと思います。
「おめめどう」のグッズレビューはこちら>>
1.発達障害の人が理解しやすい視覚ツール
メルマガ2011年12月9日号「DIR/フロアタイム」で解説したように、発達障害の人たちは普通の人とは異なった方法で、外界を理解したり、興味関心をもったりしているようです。
DIR フロアタイムの記事はこちら>>
一般的にいえば「聴覚」による理解よりも「視覚」的な情報の方が理解しやすい人が多いようです。ただし、普通の人と理解の仕方が異なるために、それに合わせた、見分けやすいツールを用意する、というのがおめめどうの考えです。
もう一つ重要な点があります。それは、同じ場面では、印刷された同じツールをいつも使うことです。提示されたツールの種類で、何を聞かれているのかが分かります。あるいはツールの種類に気づくことで、そこに埋め込まれたコミュニケーションの方法を使うという発想が出てくるようになるという点です。
2012年3月9日号メルマガで「足場かけ Scaffolding」というアイデアを紹介しました。支援技術 Assistive Technology といってもよいでしょう。具体的なツール類の解説では、それらの視点から、効用を考えてみていただければと思います。
2.Input 情報の入手
発達障害の人たちになかなか理解できない形式のものがあるようです。
具体例の一つがカレンダーです。普通のカレンダーは日曜日(または月)から土曜日(または日)が1行になって、その次の週の日は次の行に書かれています。日にちがある位置も月によって異なります。この中にはたくさんの異なった概念や情報が含まれています。特に、自閉症スペクトラムの多くの人が好きな「順番」である日にちが、それとは異なる概念で分割されていることは理解を妨げる原因になっているようです。
「巻物カレンダー」は、横長で1日から月末の日までが連続になっています。
「巻カレ1年手帳」は、それが12枚とじられており、毎月の予定を書きこみ携帯することができるようになっています。
好きなイベントのある日まで後何日か、普通のカレンダーなら次の行になってしまう日曜日や月曜日がいつ来るのか、などが視覚的に把握しやすくなっています。
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「とけいメモ帳」は針のない時計盤が描かれたメモ帳です。伝えたい時間を時計盤の針と時刻の数字で、その時刻と関連して伝えたい内容をメモ書きで伝えられるようになっています。このメモと時計を見比べることで、スケジュールを正しく伝えられるだけでなく、足場として時計の見方もだんだん分かるようになると思います。
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他にも、していいことといけないことを伝える「〇×メモ帳」、してほしいこととその理由や、結果と原因を組み合わせて伝えることができる「どうしてメモ帳」などがあります。
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3.Output 意思の表現
発達障害の人たちの意思や感情を受け取ることは、周囲の人にとっても当事者にとっても大切なことです。他とコミュニケーションすることに意味を感じない傾向のある自閉症スペクトラムの人が例えば、自分の意思が伝わると自分のほしかったものが手に入る、ということを知ることが「コミュニケーション」の価値に気づくことにつながると思います。
「えらぶメモ帳」は、今どんな気持かを確認したり、どちらがほしいかなどを二択や四択を用意することで、簡単に聞くことができます。自分でも明確に把握できていない感情や意思が「選択肢として表現」されているのを見ることで、自分の気持ちを知ったり、判断する力がついてきます。
おめめどう:えらぶメモのある暮らしはこちら>>
「おはなしツイン」は、二人が相対しており、会話のふきだしが空欄になっているメモ帳です。質問を書けば、本人が回答を書けますし、伝えたいことを書けば、それに対して、本人が何を感じたか、考えたかを書くことができます。さらに、生活の場面で、他の人とのやりとりで問題が起きたり、そのことを改めて説明しておきたい時に使うことで、ソーシャルスキルについての教材として使うこともできます。
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「4コマメモ」は、4つの空欄が並んだメモ帳です。時系列や起承転結の流れのある事物を説明するために使われるのが本来の使い方だと思います。筆者の思い付きなのですが、一連の流れを説明する時に、その途中での本人の感情や意思を聞くためにも使えるのではないかと考えました。
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4.行動の手助け
発達障害の人たちは、見通しが立たない状況を恐れる傾向があります。
「みとおしメモ帳」は12の空欄が縦に並んだもので、その日に行われる予定を書きだしたり、行動する手順を書いたりすることができます。それを携帯することで、見通しを持ち、また、記憶に煩わされずに、その都度の行動に集中することができます。
みとおしメモ帳の詳細はこちら>>
他にも紹介したい製品がたくさんありますが、これらは認知機能の外部支援技術と捉えることができます。「みとおしメモ帳」や「TO DOメモ帳」は外部記憶メディアですし、「えらぶメモ帳」や「おはなしツイン」は、その時に「判断」や「意思伝達」が求められていることが分かります。発達障害の人が得意でないことを補完し、あまり親しみのない認知機能のことを思い出すきっかけになることで、社会から求められている行動がとれるようになります。
おめめどうの製品群は発達障害の人を外部から支援することで、日常生活や社会生活の範囲を可能性を広げます。同時に、それらの機能が社会で役立つことを知り、その機能の使える場面や使い方を体験することで「足場」として、発達を支援するのにも有用と考えます。
(五藤博義)
■ スペシャル企画 おめめどうヴァラエティセット
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奥平さんにお願いしてメルマガ読者用に、カフェの名前にちなんで、バラエティに富んだ同社の代表製品をセットにしてもらいました。試してみたい方は、下記ページをご参照ください。50セット限定ですので、お早めに。
おめめどうヴァラエティセットの詳細はこちら>>
■ グッズレポート 「障害者の暮らしに役立つシンボル1000」
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きっと皆さんもどこかでみたことのあるイラスト、ドロップス。それを無償公開しているドロップレット・プロジェクトが、子どものにがてな身体検査をイラストにしてくれました。
レントゲン検査や眼科検診など、保健室でどんなことをさせられるのか、あらかじめ知っておくことは、発達障害のある子だけでなく、普通の子にも、心の準備をしてもらうのに役立ちます。
グッズレビューはこちら>>
■ イベント:世界自閉症啓発デー2012 in横須賀
※終了しております。
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4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」。各地で様々な催しが行われていますが、一押しは神奈川県横須賀市で行われる本イベント。自閉症の妹をもつ兄が制作した話題のドキュメンタリー映画「ちづる」が無料で鑑賞でき、自閉症児研究で有名な筑波大学附属久里浜特別支援学校の実践も知ることができます。
主催と共催:独立行政法人国立特別支援教育総合研究所、他多数
日時:2012年4月21日(土)
場所:横須賀市立横須賀総合高等学校 SEAホール(定員280名)
京浜急行「京急久里浜駅」下車10分
JR横須賀線「久里浜駅」下車12分
費用:無料
詳細と申込はこちら>>
■ イベント:第4回ヴァラエティカフェ
※終了しております。
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発達が気になる子の保護者と当事者の懇談の第4回を東京・豊島区で開催。
今回は、当事者のコミュニケーショントレーニングを全国で展開するイイトコサガシ代表の冠地情さん、複数の親の会の事務局を務めるフリーライターの原佐知子さんと五藤のスペシャルトークも行います。その後に、子どもや当事者の年齢などで分かれて、グループ懇談会を実施します。
主催:ヴァラエティカフェ推進委員会
日時:2012年4月24日(火)
場所:豊島区心身障害者福祉センター 東武線椎名町駅から徒歩7分
費用:500円
詳細と申込はこちら>>
■ あとがき
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我が街、町田・つくし野周辺は桜の名所。まだ1週間は見ごろが続きます。
さて、来週から新しい連載が始まります。大阪で「虹色教室」という遊びの教室をしている、未来奈緒美さんが、自閉症の男の子と過ごした3年間を振り返ってレポートしてくださいます。ご期待ください。
発達障害のある人の生活支援ツール
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