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■ レポート:魔法のふでばこプロジェクト研究成果発表会
■ グッズレポート:スマホ・コンテンツ
■ ニュース:携帯で読める発達障害の知識
■ あとがき
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こんにちは、バラエティカフェメルマガ編集担当の橋本です!
ついに寒波が押し寄せてきちゃいましたね~
四国まで大雪って、ちょっと信じられないですね。
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■ レポート:魔法のふでばこプロジェクト研究成果発表会
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東京大学先端科学技術研究センター(通称:先端研)が主催し、2011年4月から行われているiPadを用いた特別支援教育の実践研究の成果報告会が1月21日22日の両日、駒場の先端研で行われました。
このプロジェクトに参加した、全国の小・中・高・特別支援学校の実践校のたくさんの先生が出席し、ポスター発表と登壇しての発表、グループに分かれての討議が行われました。あいにく22日は私自身が講師のセミナーがあったため、初日のみレポートさせていただきます。
14時に始まり、中邑賢龍先生の基調講演の後、障害別の3セッション(病弱・感覚器障害、発達障害・知的障害、肢体不自由)で12の発表が18時30分までその後はポスター会場に移って、懇親会を兼ねたポスターセッションが行われました。
1.基調講演
1980年につくられた国際障害分類(ICIDH)は、下記の3段階で定義された。
Handicap(社会的な不利) -福祉、社会制度で解決
↑
Disability(障害による不都合) -教育や訓練で解決
↑
Impairment(身体そのものの障害)-医療で解決
このモデルにより、障害の解決は医療で初めて本質的な解決がなされるという認識が一般的になった。ところが、医療の進歩には時間がかかり、このモデルには限界があることが分かった。
一方、例えば、小指の欠損をしても通常の人には生活にそれほどの支障は出ない。だが、けがをした人がピアニストなら生計に大きく影響する。つまり環境条件が障害の困り度に大きく影響することになる。
そのような理解が進み、2001年に国際生活機能分類(ICF)が作られた。これは、環境要因の障害への影響を考慮すべきという考え方に基づいている。
言葉を変えれば、環境を調整することで、不都合を減らせば、社会的な適応が可能になるということである。メガネや義歯が一般的になっているように新技術により障害の不具合を減らそうというのがAT: Assistive Technologyという方法である。
その中でもモバイル端末は、多様なコンテンツと組み合わせることで、様々な障害を解決する可能性を秘めており、様々な校種での活用に取り組んだ本研究の実践に大きな期待をしている。
"子どもたちを変えると同時に、変わった子どもたちと新しい社会を作る!"
2.病弱・感覚器障害
北海道八雲養護学校は筋ジストロフィーの子どもが病院から通う学校です。愛澤文祥先生は、実に多様なコンテンツを使い、様々な領域への興味関心を伸ばすことに取り組んでおられました。特に、身体の負担なく操作できるようにするための補助ツール「アシスティブタッチ」、音で操作できる「つみおと」の利用はよいアイデアだと感心しました。
他にも「お絵描きパッド」「トーキングエイドfor iPad」「エアホッケー」、カラオケのできる「UTAMO」などが紹介されました。同校は、Webで日々の活動を公開していますので、下記ページをご覧ください。
北海道八雲養護学校のHPはこちら>>
他に、愛媛県立松山盲学校、香川県立聾学校から発表が行われました。
3.発達障害・知的障害
島根県立安来市立赤江小学校は定型発達の子の小学校で、主に学習に困難をかかえる子どもへの取り組みが、井上賞子先生から発表されました。本来は教育用でない「大辞林」「常用漢字筆順辞典」を活用した書字障害へのアプローチは、漢字を覚えるのに苦労しているほとんどの子どもたちにも有効だと思いました。
もっとも印象に残ったのは「おえかキロク」の活用です。お絵描きをした筆順が再生されるので、書かれた文字だけでは分からない問題が発見できます。同じ個所を2度なぞって書いていたり、通常はひと筆で書く部分が他の部分と連続するなどで、普通とは違う「画」で書かれていたりといったことが発見でき、子どもに対して適切な対応が可能になっていることに感動しました。
他にも「ナゾルート」「モジルート」はゲーム感覚で、ひらがなやカタカナをなぞる練習になり、有効と思いました。
井上先生は、膨大といってもあながち誇大でない種類のiPad、iPhoneアプリの評価をブログ「app記録簿」にアップされています。ぞくぞく更新中ですで、Apple ユーザーの方は必見です。
「app記録簿」はこちら>>
また、井上先生は、手作りの教材を中心にした特別支援教育の書籍や教材集も出版されています。
詳細はこちら>>
三重大学教育学部附属特別支援学校からは、児童生徒が活用するパソコンがない学習環境を改善したいという思いで本研究に参加し、パソコンの代替としてipadを活用し、子どもたちの潜在的可能性を引き出したいという発言がありました。重度の知的障害の児童・生徒に対して 校内では認知の障害のためICT機器の活用は難しいのではという声もありましたが、今回の逵(つじ)直美先生の実践でそのような認識が変わっていくことを願ってやみません。
大分県立南石垣支援学校からは、スライドソフト「Keynote」で、取り組みの事前学習をしたり、「写真フォルダー」でレシピ集を作って、それを見ながら料理実習に取り組んだり、といった道具的な使い方が紹介されました。
4.肢体不自由
東京都、京都市、大分県の3つの自治体と、広島県立広島特別支援学校、香川県立高松養護学校、佐賀県立金立特別支援学校の3校から発表がありました。
大分県はこの研究をきっかけに、独自予算で多数のiPadを購入し、特別支援教育のIT化に取り組んでいます。他の学校が自治体の無線LANなどの規制で苦労しているのに対し、行政主導ともいえる形で強力に進めている点は、今後の一層の飛躍を期待させるものです。Facebookページも積極的に活用しており、次の2つのページは大分の取り組みを知る材料といえそうです。
おおいた教育友の会のFBはこちら>>
大分特別支援教育カンファレンスのFBはこちら>>
肝心の取り組みで参考になったのは動画の活用です。iPadは簡単に動画の撮影ができ、撮影した動画をスライドに張り付けて作った、ひもを結ぶ手順を学ぶ教材が紹介されていました。iPadの数は限られていますが、Windowsのパワーポイントのファイルが「iTune」を経由してスライドソフト「Keynote」に変換できるのも、役立つノウハウと思いました。
佐賀県立金立特別支援学校では、お湯で簡単に変形できる「自由樹脂」を使って、タッチペンを多種類、自作している点に興味をひかれました。肢体不自由児は一人ひとり違う操作の手段が必要です。すべてを作るのでなく、市販の器具に、自由樹脂でその子に合わせた「グリップ」をつけることで、多様な操作ツールが簡単にできるのは、パソコン操作以外にも応用が広いと感じました。
自由樹脂の詳細はこちら>>
魔法のふでばこプロジェクトの報告書は後日発刊されます。
また、全実践を通してのアプリ評価サイトもオープン予定です。さらに継続プロジェクト、魔法のじゅうたんの参加者も募集中です。
今後も継続してフォローしていきます。ご期待ください。
「魔法のプロジェクト」の詳細はこちら>>
(五藤博義)
■ グッズレポート:スマホ・コンテンツ
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前の記事で紹介した井上賞子先生のブログ「app記録簿」はその膨大な量で圧倒されます。それも含め、報告会で紹介されたコンテンツの中から主なものを画像付きで解説したページを紹介させていただきます。ヴァラエティカフェの仲間の一人であり、発達障害児向けのコンテンツ開発に取り組んでいる三宮直也さん(キートン・コム代表)のページです。私とは違う視点で、成果報告会のレポートも書かれていますので、ぜひご覧ください。
「キートン・コムBlog」はこちら>>
また、東京都障害者IT地域支援センターも、iPad用とAndroid用の「障害のある人に便利なアプリ一覧」をまとめていますので、ご参考まで。
東京障害者IT地域支援センターのHPはこちら>>
障害のある人に便利なアプリ一覧
Andoroid用はこちら>>
iphone・iPad用はこちら>>
(五藤博義)
■ ニュース:携帯で読める発達障害の知識
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小さいお子さんのいる保護者の方は、PCやスマホよりも携帯を使っている人が多いようです。そこで、携帯向けの健康関連情報ページ「健康応援団」を運営されているアイチケットさんにお願いして、発達障害の解説ページを作っていただくことにしました。
ご協力いただいたのは、国立成育医療研究センター・発達心理科医長の宮尾益知(みやおますとも)先生と、同・リハビリテーション科医長の橋本圭司先生のお二人です。
皆さんの周りに、携帯で発達障害に関する情報を得たい方がいらっしゃったら教えてあげてください。同様の内容のスマホ版、PC版もあります。
携帯版はこちら>>
スマートフォン版はこちら>>
PC版はこちら>>
1月20日に第1回が公開されましたが、後3回、順にコンテンツが追加されていきますので、ご期待ください。
○1回目
はじめに
子どもはどのように成長していくのか
[2月初旬以降、順次更新]
○2回目
発達障害の基礎知識
主な発達障害
○3回目
目指すところ
○4回目
発達障害が疑わしいと感じたら
ニュースの最後にもうひとつ。発達が気になる子をもつ保護者がネットワークをつくれるヴァラエティカフェ第3回が2月18日に東京・大田区で開催されます。村上由美さんのお話も聞けますので、都合のつく方はご参加ください。
あかしろきいろヴァラエティカフェ@大田区の詳細はこちら>>
(五藤博義)
■ あとがき
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前述の魔法のプロジェクトシリーズは、東京大学とソフトバンクグループがタッグを組んで行っているプロジェクトです。
ところでソフトバンクの顔といえば、孫正義氏。
ツィッターをフォローしている人はご存知かもしれませんが、孫氏のツィッターに製品や回線等の問題を投げ、それが的を得ていれば「やりましょう」と返事が返ってくる訳です。
最近はツィート数もかなり減っていますが、東日本大震災支援の際は、孫さんの「やりましょう!」が1日に何度も発されていたのが印象的でした。実現速度もかなり早かったのが記憶に新しい出来事です。
皆でツィート&現状を伝えることで、プロジェクトも促進するかもしれませんね!!
孫正義氏のtwitterはこちら>>
魔法のふでばこ研究成果発表会
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