高いところにあるのを取るために使われるのが「足場」。足場を用意することを「足場がけ」といいます。
取れないと実感できない利点を、まず、学習者に感じてもらい、動機づけすることができます。
ここでのポイントは、「どのような足場をつくるか」ということ。
足場を使うことが、その知識や概念の習得に自然に導かれるようにすることが理想です。
各教材を体験するにあたって、その方法を解説します。
高いところにあるのを取るために使われるのが「足場」。足場を用意することを「足場がけ」といいます。
取れないと実感できない利点を、まず、学習者に感じてもらい、動機づけすることができます。
ここでのポイントは、「どのような足場をつくるか」ということ。
足場を使うことが、その知識や概念の習得に自然に導かれるようにすることが理想です。
最初の教材、VOCAは、まだ声を出したコミュニケーションができない人や、それに価値を見出そうとしない自閉スペクトラム症の人を対象にしたものです。
自分の周りにいる親や支援者に頼まなくても、自分がかんたんな操作をするだけで、ほしい種類の食べ物を、ほしいだけの数、注文するという体験ができます。いつも親や支援者と一緒にいなければならない、という制約から逃れ、自分の行動範囲を広げることができます。
VOCAの操作には、ほしいものの種類、ほしい数、してもらいたい行動を選び出すことが必要です。これは、それに使われる文を作り出すという行動と同じで、足場を使うこと自体が、文を作る学習になっています。
教材を見る >次の教材は、「地図上の相対方位」です。地図上のある地点に、自分がいると想像し、そこからの方位を考え、さらに、そこから目的地までの距離を測る、という一連の手続きを覚える、というのはそれなりに大変な作業です。
それを、方位定規、という、地図上の任意の地点に置くことができ、そこからの方位を読み取れる八方位線を伸ばせ、方位線に距離を測れる目盛りをふることができる「足場」が可能にします。
その足場を使う際には、「どこに置くか」「そこから方位を考え」「そこからの距離を調べる」という、学ぶべき作業をまさに行っています。ですから、足場を使うこと自体が、学習になっている訳です。
教材を見る >この足場がけ、という考えは非常に強力です。指導者には、デジタル環境以外にも、応用できる分野、領域がたくさんあることに気づき、知恵を絞っていただきたいと思います。